ジャングルジュース、通称JJは、バナナやパイナップルから作る、所謂、どぶろく、簡単に言ってしまえば違法酒です。これを現地人に教えたのは太平洋戦争中に駐屯していた日本兵。戦地での無聊を癒し、故郷に相まみえることを夢見て、どぶろくを煽ったのかと思いを馳せると、甘く酸っぱい酒が五臓六腑に染み、あっという間に酩酊します。
私的に一番美味しかったのは、日本人兵とは関係のない、西部州のダルと言う街で飲んだ、ココナッツの木の樹液を発酵させたどぶろく。これも現地ではJJ と呼んでいましたね。
作り方に基準がないので、ひどい時は失明したりするというJJ,それでもSPの値上がりで作る若者は後を絶ちません。よいこの皆さんは真似しないようにお願いしまーす。
露天市場の定番プロテイン、ギットギトに油で揚げた香辛料たっぷりのソーセージ。
口紅なのか絵の具なのか、というくらいに真っ赤っ赤で、どう見ても健康に悪そうですが、実は結構いけます。
オススメはカリッと焼いて少しお焦げがついたやつ。でもやっぱり健康に悪いのでオススメしません😂
オーストラリア、ニュージーランドと、お近くに羊肉の一大生産国を持つパプアニューギニア。ラム肉のステーキとか美味しいですが、スーパーの肉売り場ではかなり高額で、なかなか手が出ません。
ところがラムフラップスは大人気。
これにはわけがあり、オーストラリアやニュージーランドでは食用にならず、廃棄処分になるはずの肉付きのあばら骨、ラムフラップスを、二束三文でPNGに輸出しているので安いのですね~
骨のまわりについた薄っぺらな脂身をしゃぶるように食べるのですが、肉というよりもう油そのもの😭。
でも人類は油に弱い、何百万年も歩き続けて大陸間移動をした時代、採れる時にガッツリ食べないと、次に食事にありつけるか分かりません。
定住生活は長い人類の歴史から見ればわずかな期間。
カロリーの高い甘いものと油に目がない我々のDNAなんですね。
塩を振って食べると、結構いける、というか病みつきになります。
口の周りを油でテカテカにしながら骨までしゃぶるともう自分は人間なのか犬なのか分からなくなります。
成人病の一大原因と言われているラムフラップスの大量消費。
でも安いし美味いし、やめられないとまらない。。。
これも青空マーケットやファストフード店で食べられます。
一度怖いもの見たさで、どうぞ。
ついにこれを紹介する羽目になってしまいました。
外道中の外道、動物愛護団体が聞いたら卒倒しそうですが、犬食が都市部のセトルメントを中心に広がっています。
もともとは、マヌス島、モロベ州の離島のシアシ島、チンブー州など一部の地域の「伝統」と言われましたーそれがどのくらい過去にさかのぼるのか不明ですが、他のプロテインが不足していた場所で広まったのでしょうか。誰か調べてくれませんかね。
ところが近年はポートモレスビーのセトルメントでもよく食されています。
私の知り合いでも、犬食べたことある、と聞くと
Dog em narapela kain best mit yahhh
犬は別のレベルの最高の肉だ、と犬肉食に罪悪感もなく絶賛する人が多いです。
一方で、知人に食べていくことを勧められたうちの会社のスタッフの一人は、ムームーという石焼き料理の肉が少し臭ったため、これ、何の肉、と聞いたところ、大型犬が迷い込んできたので食材にした、と聞いてその場で嘔吐したらしいです。。。
私も隣人にフィリピン人がいたことがあり、彼らのパーティーに誘われたのですが、その前の日に、餌をあげて手なづけていた犬を丁寧にシャンプーしていた姿を見ていたのと、牛でも豚でも鶏でもない肉の焼ける異臭を嗅ぎ取っていましたので、丁寧にお断りしたことがあります。
大阪の新世界でも犬肉のホルモン食べられますが、ムームーはパプアニューギニアだけ。
オプションツアーで食べたり、田舎で食べるムームーは鶏か豚ですので安心ですし、冠婚葬祭などのイベントも間違いないですが、都会で個人から振る舞ってもらう場合は、自分で調理前の肉を見ない限りちょっと心配。大変な世の中になってきました😭
PNG最大の嗜好品、ブアイはそのカブトムシのような形から英語ではビートルナッツ、日本語では檳榔樹の実、あるいは略してビンロウと呼ばれています。
スリランカ、台湾から南太平洋諸国、ソロモン、バヌアツあたりまで広がるビンロウ文化ですが、パプアニューギニアでは、独立前は、このヤシの実の一種が採れる海岸沿いで、儀式の時に贈られる、儀典用の贈答品の意味合いが強かったと聞きます。
それがハイウェイが出来てハイランドに伝わると、毎日口にする、いわばタバコのような嗜好品へと変わっていきます。
違法ドラッグではないのですが、マスタードの実とカンバンと呼ばれる石灰の白い粉と噛み合わせると覚醒作用があり、気分がスッキリする、のだそうです。
私も知人に勧められ何度か口にした事はあるのですが、混ぜ方が上手くないのか、苦い味だけで、スッキリしたことは皆無。ただ一度だけ、仕事の出張中に昼飲みしたあとにブアイをかじったら、世界がぐるりと回り、トリップ感覚を味わいました。ああ、もしかしたらみんなこの感覚を求めているのか、と少しだけ分かった気がしましたね。
今では、栽培者、仲買人、輸送業者、小売人を含め、PNGのインフォーマル経済の巨大な担い手となり、消費者だけでは無く、庶民生活と切っても切れないお化け産業になっています。
さて、どうしてこれが外道NO1に輝いたかと言いますと、まずは吐き捨て公害。
ブアイをマスタードとカンバンと噛み合わせると口中が真っ赤になり、その唾液を吐きだす必要があります。
自分のうちの庭で、吐いた液を吸収する土壌にぶちまけるくらいなら良いのでしょうが、都会でアスファルトに吐くと、真っ赤な血痕のようになって残ります。
また公共バスの中から窓越しに吐くやつもいるのですが、並行車線を走る車にかかると、大迷惑です。私の車もぶっかけられたことが何度もあるのですが、赤い斑点が車のボディに散乱してなかなかとれず😱
そうして健康。ブアイそのものは問題ないらしいのですが、石灰の大量摂取は歯をボロボロにするほか、口腔癌の大きな原因になっています。
私の知り合いでも口腔癌でなくなった人、数知れず。
村などでは断れない場合もありますので、その場合はカンバンなしで、実だけ噛んでお茶を濁すのがオススメです。
今回はパプアニューギニアでしか食べられない味、外道編でした。
全く異なるようですが、日本でもジャンキーフードがやめられない人が多くおり、甘いものに目がない女性もたくさん。
美味しいものには毒がある、でも安いしやめられないのは世界共通かもしれません。
(担当 上岡秀雄)