秘境中の秘境、エンガショー

秘境中の秘境で開催される部族の祭典、エンガショー

パプアニューギニア、部族の祭典5選

その② エンガショー

(※このページは2025年1月に更新されました)

「パプアニューギニアってお祭りがいっぱいあるけど、どれがいいのか分からない」

「一生に一回なら、どのお祭りに行くべきか」

「どうせだったら一番インパクトがある部族の祭典に行ってみたい」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

はじめまして。

私はパプアニューギニアにてPNGジャパンという現地旅行会社を営んでおります、上岡秀雄と申します。

1995年に青年海外協力隊員としてパプアニューギニアの地を踏みました。当初は2年のはずだったのですが、何かの縁だったのでしょう。いつの間にか「世界最後の秘境」と呼ばれる国で30年を過ごしてきました。

世界各地、いろいろなお祭りがあります。リオのカーニバル、スペインのトマト祭り、タイのソンクラン。日本に目を向けてもねぶた祭り、阿波踊り、だんじり祭りなど、ユニークなお祭りが目白押しですね。

では、パプアニューギニアのお祭りのどこがすごいのでしょうか?

今回は、そもそもが秘境チックなパプアニューギニアの中でも、最も奥地に位置し、秘境中の秘境ともいえるエンガ州で行われているエンガショーをご紹介します。

お祭り基本データ

開催場所                    エンガ州、ワベッグ

行き方                         ポートモレスビーよりマウントハーゲンまで航空機で約1時間、

            マウントハーゲンから車で3時間

開催時期                    2025年8月8日(金)~10日(日)

20世紀なって一攫千金を目指す山師たちに発見された、「怒りの町の遅れた奴ら」

1920年代以降、一攫千金を狙う男たちが、金脈を求めてニューギニアに殺到しました。オーストラリアからやってきたリーヒー兄弟は、それまで人が住んでいないと思われていたニューギニア高地に足を踏み入れ、1933年、ワギ渓谷マウントハーゲン近郊に金脈を見つけました。更なる金脈を求めマウントハーゲンから道なき道を切り開いていった兄弟は、ニューギニアの最も奥地で人口密集地を「発見」したのです。このリーヒー兄弟の冒険は「ファースト・コンタクト」という本やドキュメンタリーで興味深く見ることができます。

それまで部族抗争に明け暮れていた地元の人たちは粗暴で、いつも怒っているように見えたことから、英語のアンガー(怒り)がなまってエンガ州となり、近代社会についていけない未開の部族として、ウエイバック(ずっと昔の、遅れている)な奴ら、と言われたのが州都ワバッグの語源と言われています。

現在では成功したビジネスマンや著名な政治家を多く排出し、パプアニューギニアでも最大級のポルゲラ鉱山から得た収入で教育や産業育成に投資するエンガ。人々の服装こそTシャツにジーンズやスカートを身に着けるなど現代風ですが、電気もガスも水道もなく、村での暮らしや文化はリーヒー兄弟たちが異文化接触を試みた頃から大きく変わっていないのではないか、と思わずにはいられません。

ド迫力でこれでもか、と迫ってくるレアもの部族のオンパレード

そんなワベッグで開かれるエンガショーを見学してきました。

このお祭りにはエンガ州の5つの地域から、独自の衣装を身にまとった部族たちが参加します。マウントハーゲンに近いワベッグ周辺の部族などはお隣のマウントハーゲンショーに遠征することもありますが、奥地の部族はエンガショー限定。レアもの好きには垂涎もの。

なかでも勇壮なフェイスペイントを施した屈強な男たちが腕を組んで一列に並び、雄たけびを上げながら踊るシンシンはド迫力で鳥肌ものです!!

そして、こんな部族も↓

そして、こんな部族も↓

こんなのもいかがでしょうか?↓

どうですか、ド迫力ですね?

エンガショーでは、スタンドに腰掛け、こういった部族のオンパレードを二日間かけてじっくり見ることができます。

そんな秘境度満点のエンガでしか見ることのできないお祭りは、正確無比だった!!

悠久の時間が流れるパプアニューギニア。首相や国務大臣が海外から巨額の援助を受領する式典にさえ遅刻するという、時間にゆる~いお国柄のなかで最も「ウェイバック」な秘境中の秘境、お祭りもさぞかしマイペースなのかと思いきや、プログラムどおりにきっちり進んでゆくのにビックリ。

これは、このお祭りが、エンガ州で絶対的な権力を持つイパタス知事の肝いりで、エンガ州とその文化をを世界に知らしめるために何としてでも成功させろ!とはっぱをかけているからだとか。

その証拠に、去年のお祭りでは、ヨーロッパからの観光客に対し、知事自らがやってきて「よく来てくれました」と感謝の意を述べられたり、宿泊しているホテルにテレビ局のインタビューが来たり、突如として関係者だけのディナーに誘われたり、と、普通の観光ではありえないVIP待遇。

エンガショーがメジャーになった日には、こんなスペシャルな待遇は期待できないでしょう。そういう意味では、レアな今こそ行っておくべき、かもしれませんね。

エンガショー以外のエンガ州のおすすめスポット

ソルトポンド

ワベッグから更に奥地に入ったライアガム地方では、伝統的に湖で塩を生産してきました。特定の種類の丸太を湖に沈め、数か月の間待ちます。塩が十分に浸みわたった頃を見計らって引き上げ、丸太を燃やします。焼け跡に残った灰のようなものが塩の成分で、これをパンダナスの葉に包み、遠くはマウントハーゲンまで運んで物々交換されました。このアイプ(aip)と呼ばれる内陸部で採れる貴重な塩は、貝の通貨、クンドゥと呼ばれる打楽器や装飾品、サゴヤシなどの食料と交換される重要な交易品となっていました。

この「ソルトポンド」と呼ばれる湖のほとりまで歩き、塩の製造工程を再現するツアーがエンガショーに合わせて開催されます。エンガ州の独自の伝統文化を垣間見る貴重なツアーで、ここまできたなら、見て帰らない手はありません。

エンガショーに便利なホテル

リビトホテル    

ワベッグ市内中心部に建つ3スターホテル。レストランでの食事も評判で、シンプルですが快適な宿泊施設。

エンガショー見学には最も適しているでしょう。

ヤスコムリゾートホテル

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エンガ州の中央部ライアガム地区、イヴァエ湖に面するカジュアルなリゾートホテル。伝統的な採塩技法を続ける塩湖にも近く、首都のワベッグを離れ自然の中に滞在するのに最適な宿泊施設。

エンガショーを訪れるツアー

みなさんも今年こそはぜひエンガショーを訪れるツアーに予約されてはいかがでしょうか?

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