
ラバウルは上の地図のようにタブルブル山(花吹山)、コンビウ山(母山)バルカン山(西吹山)、ラバナラカイア、トラングナ(南娘山)など火山に囲まれたシンプソン湾に面しています。
有史以前から火山噴火の記録があり、紀元前1500年ごろに最初の大噴火が記録されています。
その後も何度か大きな噴火を経験してきたラバウルはまさに火山と共に生きてきた街、ともいえるでしょう。

ドイツ植民地時代を経て街が形成され、コプラの輸出で栄えたラバウル。そんな平和な街を再び大噴火が襲います。1937年のことでした。
6月2日、人口が密集するマチュピット島の対岸にあるタブルブル山が大噴火。マチュピット島を中心に、逃げ遅れた人約500名が犠牲になるという大惨事となりました。また、この時の噴火で、それまで平地の島が隆起してバルカン山となり、シンプソン湾を挟んでタブルブル山とバルカン山の2大活火山が形成されたのです。
ラバウルの主な民族はトーライですが、彼らはお隣のニューアイルランドからボートに乗ってやってきた移住者。その前には、現在「バイニング」と呼ばれる人たちが住んでいました。後からやってきたトーライが武力をもってバイニングを街から山のほうに追いやったのですね。
このバイニングという名前も、トーライの人による命名で、どうやら野蛮な民、的な、侮蔑の意味を含んでいるそうで、バイニングは別の名前にしてくれ、と嘆願していますが、いまだにバイニングという名前で通っています。
そのバイニングですが、火祭り=ファイアーダンスをすることで有名です。毎年恒例のマスクフェスティバルなどのイベントで見ることができますが、鳥のような仮面を被ったバイニングの男たちが、赤々と炊いた火の中に飛び込んで踊る姿は勇壮で、迫力満点です。


余談ですが、このバイニングの火祭りは、ハリウッド映画「アバター3」に出てくる火を崇める部族、「アッシュ」のモデルになったと、プロデューサーを務めたジェームス・キャメロンが語っています。

このバイニングの火祭りでは、火をつけ、赤々と炊き上げて、そこを男たちが走り抜け、火を消そうとでもしているようです。そしてその「儀式」は夜通し続きます。部外者には秘密の部分が多く、詳しくは分からないのですが、この姿を見ていると、火山の街、ラバウルに長年住んできたバイニングは、なんとか火をコントロールしようと、こういった儀式が生まれたのではないか、と想像してしまいます。
そんな火山の街の宿命ともいえる大噴火の余韻が冷めやらない1942年の1月、今度は日本軍よる侵攻がラバウルを襲います。
続く